リテールDX〜デジタル技術で変わる買い物体験〜

リテールDX〜デジタル技術で変わる買い物体験〜

トライアルグループが取り組んでいるリテールDXを学びました。
Clock Icon2024.04.05

こんにちは!リテールアプリ共創部の藤田です。

先日、リテール業界への理解を深めたいと思い、「勝ち残るためのリテールDX トライアルグループが挑む新・流通革命」を読みました。
今回はトライアルグループが取り組まれている店舗におけるリテールDXをご紹介したいと思います!

そもそもリテールDXとは?

一般的にリテールは小売や流通業を指し、DXはデジタル技術を活用しビジネスや生活をより便利にすることを指します。ですが、本書においてのリテールは、小売や流通業だけでなく、材料の調達と生産を行う「製造」業や、お客さまと商品やサービスをつなぐ媒介役の「広告」業や「金融」業もその範囲に含まれます。


今回は、その中でもリテールの中心部となる「小売」のデジタル化についてご紹介します。

デジタル技術を活用した店舗

トライアルグループは、店舗のデジタル化を推進するため「スマートショッピングカート」と「リテールAIカメラ」の導入を進めました。それぞれどういったものなのかご紹介します。

スマートショッピングカート(SSC)


スマートショッピングカート(以下SSC)は通常のショッピングカートにはない「バーコードスキャナー」と「タブレット端末」が搭載されたショッピングカートです。
ユーザーは、カゴに商品を入れる前に、「バーコードスキャナー」でスキャンし、決済は「タブレット端末」で行います。つまり、SSCはレジに並ばず買い物ができるという特徴を持っているのです。
さらに、SSCはユーザー特性に合わせたクーポンや特典の配布が可能なため、欲しい商品をお得に買える、魅力的な買い物体験設計を実現しています。
実際にSSCを導入した店舗には以下効果が出たようです。

  • 売上金額の増加
  • 1人あたりの買上点数の増加
  • 再来店率の伸長

このことから、ユーザーの買い物体験は向上していると捉えても良いかもしれませんね。

他にも以下効果が挙げられていました。

  • レジまわりの人件費の削減
  • 駐車場の回転率アップ
  • 商品ロス(損失)の削減

商品ロスに関しては、ショッピングカートの改善を繰り返したことで、削減することができたそうです。
2014年に、SSCの前身として決済機能を搭載したショッピングカートを運用した際、商品ロスの増加が大きな課題として出たようです。ユーザー自身で商品をスキャンするため、うっかり「商品のスキャンを忘れる」人や、意図的に「商品のスキャンをしない」人による商品ロスの増加。その課題を解消するため、「スキャンのし忘れを知らせるアラート機能の搭載」「カメラを使った万引き防止策」を実施し、商品ロスの削減へ繋げることができたそうです。

次に、リテールDXをさらに加速させる「リテールAIカメラ」を紹介します。

リテールAIカメラ


リテールAIカメラは売り場を可視化するカメラです。主に以下機能があります。

  • 商品の陳列状況をモニタリング(欠品の回避)
  • カメラの画像を解析し数値化(ユーザーの行動データの可視化)

ユーザーの行動データの可視化では、注目されている商品棚などがわかるため、プラノグラム(売り場の活性化を意図した棚割システム)に活用することができます。どのように商品を組み合わせたら、その棚の収益を最大化できるかなど精度の高い行動データをもとに考えることが可能になります。

データの活用

店舗で得られたユーザー特性や購買・行動データ等は、卸やメーカーなどの他業種へ共有し、他業種からも店舗へさまざまなデータの共有を行っています。それにより、ユーザーの需要を正確に捉え、時代の変化を敏感に察知することができるのです。業界の垣根を超えたデータの共有は、移り変わりの激しいこの時代にとって重要なポイントになるでしょう。

さいごに

本書を読み、トライアルグループはSSCやリテールAIカメラの導入で店舗のDXを進め、魅力的な買い物体験設計をしていることが分かりました。また、リテールDXを推進する上で、それらIoT機器などで得られたデータは、蓄積するだけでなく他業種と連携し、活用することが重要なのだと思いました。
この学びをさらに深めるため、今度は実際に自分がユーザーになりデジタル化された店舗の買い物体験をしてこようと思います!
本を読むだけでは分からなかった新しい気づきや学びの発見に繋げ、またレポートなどでその体験をお伝えできればと思います。

今回は、実店舗での取り組みをメインにリテールDXを紹介しましたが、本書では実店舗運用までの過程や試行錯誤を繰り返した過去、他業種との連携方法や今後のリテールDXの進め方など詳細に書かれています。リテールDXに興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

参考

「勝ち残るためのリテールDX トライアルグループが挑む新・流通革命」
TRIAL HLDGS メディアキット

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